君主論 感想

岩波文庫 河島英昭訳

町に住んで直接統治、すぐに対応できるようにする。君主直属の部下で固める、不安因子である人、血筋、町を抹消する。

君主論は全体を通して冷徹で現実主義な印象を受けた。7章の最後、「およそ名のある人物にあって新たな恩恵がかつて加えられた古傷を忘れさせられると信ずる者は、欺かれる。」これは心に刻む必要がある。いくら今プラスを与えられているにせよ、自分が昔与えたマイナスを無かったことにはできない。一方逆に自分も昔傷ついたこと、こびりついてる言葉があって、あれ、あれだ、へ、へ、へ!でも今それをどう解釈するかが大事って思ってわかっていても中々頭から離れない。そんなものだ。

恩義をもらったら恩義を返したくなるって、当たり前な大事なことも書かれてある。

権力を持つ時、必ず自己の戦力に基礎を置いておかないといけない。戦力を他に依存してはいけない。

これもまさにそうだよな、自分の力となるものは自らが保持していないといけない。自分の体、知識、人間性、技術。それらを強化して、そして他人の意見や考えに重きを置きすぎず自分で取りに行かねえといけねえ。冷徹なカッケエやろうだ。

また、あらゆる脅威の予想とその対策。

悪徳と思われるものも必要であれば使う、それが安全と繁栄をもたらすかもしれない。このevil mind的なのもカッコよくてゾクゾクするぜー。

慈悲深く、誠実でいることが基本だが、必要になれば悪を引き出し使う方法を心得ていて、実際に実行できる心構えを持っておく。優れた人間性を持ちながら必要であればいつでもevil mindを表に出せる準備をしておくということ。

「良き助言というものは、誰から発せられても、必ず君主の思慮のうちに生まれるのであり、良き助言から君主の思慮が生まれるのではない。」

これもまさに今おれがしていることと同じだ。本と対話し、良き助言を得ても必ずおれというフィルターに通してから自分のものにしなければいけない。これは最近強く意識していることだ。例えば、本の内容をおれに結びつけて解釈してみたり。大事なのは、おれはこの本を読んでいる、という意識。

運命は女。これマジでかっこいい。そして、運命は大胆な男の方が慎重な男よりも好む。なんか老人と海で老人が海のことを女性と喩えていたのにすごく似ているなあ。制御できないけど美しくて恵みをくれて、そんな感じの。運命を愛せ。

この本の終わり方も格好いい、送り先の君主の心を奮い立たせるような締め方。

また、この本に関係ないが、いわゆる古典、マスターピースを読んでいるとたくさん自分の中に取り込みたいものが見つかるけど、エネルギーが強すぎてショートしてまう。だから一冊に一個あればいいって、そう思うと気負いせずに楽しみながら吸収できる。

この本はリーダーに立つ者の心構えについてだけでなく、人間の性質や本質についても書かれており、明瞭でカッコいい文体が癖になる。マキアヴェッリは素晴らしい観察眼で人間の本質を見極め、冷徹なリアリズムで斬った。

また、これは君主に向けて書かれた本だが、個人に当てはめて実践できるところが面白い。何故なら、おれはおれの体と精神の君主であるから。強い男の実態が少しだけわかった気がした。

君主論 (岩波文庫) [ マキアヴェッリ,N.(ニッコロ) ]

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