苫米地英人 春秋社
彼の人柄がとにかく好きで、youtubeで話している動画や出演しているものをかなり多く見た。
明るくて、自信にあふれていて。flexしているときおもろいからもっと聞かせてくれって感じ。
去年の終わりに出版された「自衛隊認知戦軍創設提案」を読んだことがあって、面白かったので、彼のマスターピースである本書も読もうと思った。その本では本当の認知戦とは、安い偽情報を相手側に与えることではなく、相手にとって脅威となる揺るぎない真実である情報を与えることが真の認知戦である、といったようなことが書かれていたと記憶している。
苫米地英人氏は現在、認知戦に力を入れていると動画で話していた。物理で戦争をしてたくさんの人が犠牲になるより、認知の部分で気づかないうちに勝敗を決める。戦争がなくなるのがもちろん一番望ましいが、争いは絶えない。人命を第一に考えた現実的で理にかなっている戦争の仕方だと思う。リスペクト。
自衛隊 認知戦軍 創設提案 戦略的影響力のパラダイムシフト [ 苫米地 英人 ] 価格:1650円 |
洗脳原論では苫米地英人氏の脱洗脳、オウムとの闘いから経験を本にして書かれている。本にすることで起こる危険性がいろいろとある。(この本を読んだ人がカルト宗教を作ったり、対人で洗脳を試みるなど?)だが、当時の日本の状況を見て、それと開示することで多くの読者が身を守れるようになるということとを天秤にかけて公開することにしたと書かれている。ありがとう!
俺の解釈だが洗脳の本質とは、仮想世界への臨場感が高まった時の状態のことをいうと思っている。教義や狭い部屋、暗闇など、そちら側の世界が主なフィールドになり、現実世界の解像度が著しく低下することによって乖離が生まれる。これが洗脳であると。
これは遠い話ではない。俺自身もアニメや映画、ノベルゲーム、読書、doomスクローリング。whateverなんでもいいが、体験するときは溶け込むように楽しむ。フィクションだとわかっていても見下すことなんて到底できない。どういう仕組みなんだろう、俺は本当にその世界があると思ったりその世界に行きたいと思っているわけではないが、体験が終わると魂が抜けて、空しくなる。だれでもこういった体験があるのでないだろうか。これも洗脳の一種だと思う。
洗脳が起こる原因として、人間が持つホメオスタシス、いわゆる恒常性というものが関係しているらしい。彼の動画を見ていたら、何回も聞くワードだ。ほかにもスコトーマなどよく話しているイメージ。最近は利他性がお気に入りらしい。
特定の表象と、特定の臨場感状態を結びつける日常的作業の反復としての、ホメオスタシス・フィードバック・ループの構築がなされるのである。p22。
なるほど、つまり俺のアニメ鑑賞でいうと観る、という行為と楽しい、やワクワク、が結びつく。超高速で結びつく。そしてその結びつく、という現象がホメオスタシスによってさも当然のように当たり前の状態となる。といったようなところだろうか。そしてこれがなければまず、フィクションの世界を楽しむことができない。それとこれは誰もが持つ、つまり誰でも洗脳にかかる土台はあるということだろうか。アニメを視聴しているときのの視覚情報や欲情などの直感的な本能による、楽しい、ワクワクなどは別で考えての話だ。
至福体験においては電気より光が重要ということも書いていた。これはそうだなあ。太陽神。見えるし。人が食う肉は牛が草を食って、草は太陽を食って育つ。太陽が生命の源だもんなあ。俺外に出て毎日くっそ日光浴してえなあ、shouldだよな、するべきだよ大事。誰かの本で書かれた私の神は太陽と懐疑思想だけである。みたいなのを思い出した。かっけえ。
洗脳状態の危険性は仮想世界の臨場感が高まり、現実世界が薄くなる。あっち側の世界でこれが正しい、いいとなったら現実世界での殺人もまかり通るということだと思う。だから当の本人は何も悪いことだと思ってもいない。おれも全く関係ないわけではない。自分なりのドグマという名の洗脳を自分にしている。その仮想世界と呼べるのかはわからないがその概念に精神を預けている。もっと動物的に流れるように生きられれば、それが一番良いし、楽だし、いいことであろう。ただおれにはそれが耐えられない。それができるほど強くない。だから自分のドグマを第一に置いて生きている。内容は危険性のないものだと思う。たぶん、どこかで壊れたのだろう。それが何だったのかいつなのか、積み重ねなのか、今に影響を与えているのか。それはわからないが気にすることではないだろう。そんな過去より今どうしたいか。wanna do, wanna beだろう。大事なのは、程度は低めであれ、自分自身に洗脳を課しているという事実を強く自覚しながら、仮想世界の概念、ドグマを持ちながら現実世界を生きること、なのではないか。
苫米地英人氏のデプログラミングは相手に話をさせて、自分ではこれはこうこうだよね?と言いすぎないで、あくまで聞き手に回って、質問をするという方法。これをすることでいずれデプログラミングされている側は自分自身の理論の矛盾に気づき、あぅあぅーとなる、といった感じ。これはソクラテスと同じだと彼は本で書いていたが、これはまじでそうだなあ。今おれ結構前から超ゆっくりプラトンの国家を読んでいて、読みやすいっちゃ読みやすいけどなかなか進まんと読んでるって感じなんやけれども。ソクラテスの対話も本当にこの技術を使っている。非常にふわっとした言い方になるが、話す、それも相手に何かを納得させようと話す時はエネルギーをとても必要とするし、自分の内側と乖離が生じやすい。だから沈黙を貫き、いけるところのみを質問で刺すという方法、これが効くー。
第6章では苫米地氏の過去が語られていて非常に興味深いし面白かった。動画で聞いたことのある話を活字で読んでおおって。彼のルーツはコンピュータサイエンス、哲学、心理学。と書いてあって、すごいなあ集大成なんだなって思った。とくに哲学でも理系の分析哲学らしい。
彼のポッドキャストも何本か見たことがあるが、フェラーリ、BMW i8、GTR、アストンマーティンを乗り回していたり、最高だな。
まとめとして、この本を読むことで洗脳の対策はこれだ!といった対処法を俺が見つけられたわけではないが、洗脳に関する大まかな仕組みはわかったと思う。苫米地英人氏が良く動画で言う、現状の外にゴールを作ってそっちの世界の臨場感を高める。そしたらホメオスタシスが働いて、現状に不満が出てきて、変わるようになる。これもまさに、その通りだし、この本を読んだ後ではさらに納得しやすい。利他性の苫米地と呼んでくれと言っていたが、これもファクト。つながっているから結局は自分も良くなっていくもんね、そうに違いない。苫米地英人氏にリスペクト。
価格:1650円 |

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