アニメ映画の中で本当にトップで面白かったし美しかった。絵も音楽も、スケール感も。
貴族と人間の本来あってはならない愛と、その両方の血を継いだDの話。
よくpinterestでこの映画の絵を目にして、その時からなんてきれいな世界なんだってずっと気になっていて。今日やっと見れた。
まず、綺麗なのは砂漠と空のコントラスト。そして、すたれた神殿跡のような場所。そしてでかすぎる城。
砂漠の絵の空は色がとても濃くて、塗り方に浮世絵を感じた。少し前、おれが浮世絵の展示会をしていた美術館に行って。その時感じたのが空の一番上、つまり絵の一番上に暗い色をビシーッと直線で塗ってそこからだんだんと色彩が薄くなっていくようにグラデーションをつけて空を作るなって。それをこの映画の空を観てとても共通性を感じた。
城のスケールがとてつもなく大きくて、もしこんなのが地球の地下にあったらなってロマン。赤と白。バンパイアの瞳と肌も。
セル画ってよく聞く。そして大体好きだし特有の質感を持つ。今調べたら一枚の完成された絵があり、その上に動くキャラを書く。そしてそれをフィルムで撮影する。こういったアニメーションの作り方をするから、この質感が生まれるのか。空気感や粒子。ものすごい手間をかけて。
だから神々しさや説明しすぎない余白といったものが生まれるのかなって。アンドレイ・タルコフスキーの映画で感じたように、生き物や動くものがまるで異物として迷い込んだ、そんなふうな。
説明しすぎない作品には、正しい距離間その世界と体験する人との、そこで何か反応が起きる余白が生まれる。そこが説明しすぎない作品の良さかなって思う。この映画でもレイラの回想シーンで、それを描くのでは無く、ただ彼女の声が雨降る森を背景に聞こえてくる。そんなところ。
絵として美学を感じるって思ったところは、城で幻想のマイエルとDが鉢合わせるシーンと階段のシーン。等間隔で並んだ、柱。それが遠近法により、遠ざかる。階段の周りに無数の赤い蝋燭が乱立する。前者はベルセルクのグリフィスが陰謀に気づいて睨みをきかせるシーンを、後者はエヴァの補完のシーンを思い出した。
最後、葬式の場面でシャーロットの葬式かな?って思ったら、レイラに面影のある少女がDに話しかけて、ああレイラの葬式かって気づいて。おばあちゃんって言うから相当な年月が経っていることになる。こんなに長い年月が経っても約束を守る、いや約束は守らなかったが。Dの温かさと同時にこれからもずっと生き続けるのかあって思った。

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