マーターズ 感想

ネタバレあり

4kリマスターを見てきた。フランスホラーの最高峰として名高い、気になっていた。

パーフェクトブルーも天使のたまごも4kリマスターが公開された時行けなくて、今回こそは観たいと思っているもの観に行こうと。僕は外に出るのが苦手で。だけれど、観るためなら、それに伴う苦痛は仕方がない。

久しぶりの映画館だ。ロングレッグスぶり。

あらすじを読んだ時、ここまで、書いていいのか?って思ったけれど、すぐに場面が進んでいき。これ、まだ続くんだ。の連続だった。いい意味で。

リュシーが監禁から抜け出すシーンから始まる。15年を経て、復讐を果たす。子供は殺さないのかと、俺は少し安心しながら、一方でどうするのかと、ゾクゾクした天秤で。子供までも撃ち殺してしまう。

その後、アンナがその家に急いで向かう。

リュシーが謎の女に襲われるとき、アンナ視点により自傷をしていると気づいた。

この時点で、誰が、そしてなぜ監禁して拷問していたのか。それをずっと俺は気になっていて。レイプをしない拷問だったから、凌辱的な目的ではなく、なにか超越的な目的のためにやっていることはなんとなく勘づいていた。

地下室の存在をアンナが見つけて、降りていく時、そこは病院のような、潔白すぎる空間がそこに広がっていて、俺は直感で映画「cube」の最後のところ、思い出した。あの映画もすっげえ好きだな、思い返したら。見返そう。あの物理的なマトリックス感。確かカナダの映画だったっけ。

話を戻すが。その地下室で監禁されていた女性を、アンナは解放した。全身傷だらけで爛れたあとのような乾燥した肌になっていた。視界を塞ぎ、暗闇にするための頭に杭を打たれた拘束具。それを抜くシーンが痛々しかった。そして、風呂に浸かる。

眠りにつき、起きるとその監禁されていた女性が暴れ出す。その時、監禁をしていた張本人。団体だか、彼ら彼女らが帰ってきて、銃で撃ち殺す。

そして、アンナを地下室に連れて行き、監禁の目的を話す。若い女性を監禁し、暗闇に長く閉じ込めることで、恐怖や苦しみが生まれる。リュシーの場合は幻覚の女であり、監禁されていた女は身体中を這うゴキブリだった。

地下室の壁に飾られた人間の極限状態の写真たち。

その苦しみを克服することで変容するという。悟りというか、あの世と繋がること。臨死体験、生きた殉教、というようものなのだろうか。

そして、ここからアンナへの拷問が始まる。

アンナが目を覚まして、拷問されたことに気がついた時の、叫びの演技はとてつもなかった。一番恐怖を感じた。

そこからダイジェストのようにアンナへの拷問の場面が続く。スープを無理やり飲まされ、尿を垂らし、髪を乱雑に切られ、ひたすら頬をぶたれる。

彼女の恐怖は、リュシーで、彼女との対話で、恐怖に身を委ねたらいいと言われる。

そこで彼女はマドモワゼル(調べたらマドモアゼルだった。)へと変容する。

次の段階として、全身の皮を剥がれる。筋肉が剥き出しになる赤々しい姿。

ここでマドモアゼルに変容したのか。

拷問をしていた巨漢を映すカメラに変わり、シャワーシーン。すると妻の叫び声が聞こえ、曰く生きているが、目が完全に殉教者となった、と。

すぐに、この家に拷問していたグループの人たちが集まり、死後の世界について、聞こうとする。

リーダーの女性は男に死後の世界はあると言うが、その後、疑いなさい、と言葉を残して口内銃自殺をする。

うーん、アンナは死後の世界があると言ったのか?死後の世界はある、そこは素晴らしいところだ、のようなことを聞いて喜んで銃自殺したのか?

なぜ疑いなさいと言った。それか、死後の世界はない、と聞いて。ならこの世界つまりあの世への前菜はもういらない、という風に自殺したのか?

一番最後のアンナの瞳にアップして終わるシーン。俺はこの映画で、ずっとスクリーンから目を離さずに観続けたが、最後の最後のこのシーンだけ圧が凄すぎて、おれの瞳を開け、真っ直ぐ彼女の瞳を見つめることができなかった。そこが唯一悔しい。心残り。証人。

死後の世界というのは、古来から人間を取り巻く重大な観念であり。

死後は死後にしか知り得ない。おれはそう思っていて、そう思うんだ。

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